Care Of The Cow「i still don’t know your style」。1981年作品。
ボイス/コーラスや打楽器の響きや重なりの独自な音響実験的アプローチが特徴的な70年代中期より活動したシカゴ産アヴァン・ポップトリオ。中心人物のChristine Baczeskaは後にPauline Oliveros先生のディープリスニング研究所のメンバーとしての活動でも知られます。今作は彼らの81年リリースの自主制作盤で彼らの代表作でもある怪奇アンビエント・ポップス傑作。
ボイスの多重録音にテープ逆再生や更に重ねた美しいけど不気味なコーラスワーク。リズム楽器としてよりメロディを奏でるように又響きを特徴的に聞かせるように叩かれるパーカッション類、いなたいエレキギター。もやもやしたアンビエントやドローンのような音響感覚がとても気持ち良い。謎の早弾きギターとかにも苦笑い。童謡や民謡のようなメロディーや音数は少ないのに複雑で歪な展開がプログレッシブ。
個人的に”STROPHE”の美しさは凄い。ぽろぽろと零れるようなオルゴールから、か細い語り。淡いエレキギターのつま弾きと遠くで打ち鳴らされる太鼓。そこにぐにゃりと空間が歪むような変形コーラスが下の方からググッと来る所がもう鳥肌。