Transes Europeennes 「Le Bal De La Contemporaine」。1986年作品
フランス電子音楽家の御大Luc Ferrariとの共演作も残しているペルシャの打楽器ザーブ奏者としても著名な仏ラテンパーカッション名手Pablo Cuecoが中心となりSteve LacyやBrigitte Fontaine、Colette Magnyとも共演する腕利きコントラバス奏者Francois Mechali、南仏民族性即興音楽集団GRIMのGerard Siracusa、Sylvain Kassapといった80年代フレンチジャズ最前衛10人で結成されたTranses Europeennes。今作は彼らが発表した唯一の作品であり、ラテン音楽を分解し珍妙なだけど目茶苦茶クールに再構築した名盤。
全てをラティーノ化してそれをまた解体して組み立てたように複雑怪奇。でも音はあくまでもカラっとしてて陽気で痛快なんですよね。ギラギラした太陽の下で笑顔で歌って踊ってぶち壊したみたいな、どーなってるかわからないハイテンションなリズムでグングン持って行かれて超楽しい。パーカッション等リズム楽器だけじゃなくてピアノやホーンもまた絶妙なポップさとキテレツさ。急な展開とか時より見せる超スタイリッシュな雰囲気とか足元すくわれる感じ沢山なんだけど楽しいから許しちゃう。してやられたなーって笑えるのがいい。やっぱスキャットが気持ちいい。
夏にぴったりの一枚。